「美術品/日本画」修復・保存

お知らせ
2023/06/13

過去のブログ紹介 セロハンテープ痕の修復作業 その2 サクションテーブル

過去のブログ紹介 セロハンテープ痕の修復作業 その2 サクションテーブル
前回、セロハンテープの接着剤痕が、いかにやっかいな代物かを説明しました。
接着剤痕の状態によっては取り去ることは難しいですが、できるだけ軽減させています。
除去する方法の一つに、「サクションテーブル」と「溶剤」を使ったやり方があります。
 
この「サクションテーブル」とは、紙作品の汚れや染み痕の洗浄等に使う器具で、
水や溶剤を吸引しながら処置を行います。サクション(suction)とは吸引のことです。
 
接着剤痕の除去は溶剤を使って接着剤を緩めて、他のものに吸着させる方法で行います。
今回の処置では吸い取り紙に吸着させました。溶剤は浸透性が高いので、
緩んだ接着剤が回りに広がって染みにならないように、
「サクションテーブル」で吸引しながら処置を行います。
実は、作品全体の処置をするような大きな「サクションテーブル」は、とても高価です。
ただし、構造はシンプルですので、自作も可能です。
伝世舎では、処置をする箇所が大きくないので、小さなサクションテーブルを自作しました。


詳細はブログをどうぞ。

伝世舎blog日日是好日
2023/05/16

過去のブログ紹介 セロハンテープ痕の修復作業 その1

過去のブログ紹介 セロハンテープ痕の修復作業 その1
今回は、セロハンテープ痕の修復作業についてのお話です。

ちょっと破ってしまったりした時、セロハンテープは便利ですよね。でもちょっと待ってください、作品に貼ることだけは絶対にやめてください。
 今回、このセロハンテープ痕を軽減する処置を行いましたので、ご紹介致します。残念ながら全部取り去ることは困難な場合が多いです。

時間が経つと接着剤は硬化して色が濃くなり、紙の中まで浸透していきます。
テープ痕を取ることは、本当に大変なんです。

詳細はブログをどうぞ。

伝世舎blog日日是好日
2023/02/14

過去のブログ紹介 寒糊を煮ました。

過去のブログ紹介 寒糊を煮ました。
2月20、21日の2日間をかけて寒糊を煮ました。(2016年のお話ですが)
修理や表装で使う糊は生麩(正麩)という小麦粉澱粉を煮たものです。糊はその都度煮て使います。寒糊とは、冬の一番寒いときに煮た生麩糊のことを言います。
それを瓶に入れて数年~10年くらい寝かせます。寝かせた糊を古糊と言います。
古糊は、掛軸や巻物などの巻いたり広げたりするような柔軟性を必要とする表装作品の裏打ちに使います。
長い間寝かせているので、もちろんカビが生じます。カビている部分を取って白っぽく残っている部分を使います。
そのため、10年くらい経った糊の量は1/10くらいに減ってしまいます。とてもとても貴重な糊です。完成した古糊です。


詳細はブログをどうぞ。

伝世舎blog日日是好日